仮説:チヌは慣れたダンゴに反応する。
チヌの筏釣りに使用するダンゴは色々ある。ダンゴに混ぜる集魚材も色々なものが使われる。
しかし、釣場によって、あるいは、渡船店によって、そこで使われるダンゴには一定の傾向がある(傾向ができてくる)。
同じ釣場である特定のレシピのダンゴが頻繁に使われるようになると、そこにいるチヌはそのダンゴについて(慣れて)、他のダンゴに反応しなくなるという仮説である。
この仮説が正しいかどうか、まだ分かっていない。データの数も少なすぎる。
しかし、これまで、この仮説を裏付ける事実として次の事実(体験)を報告することができる。
1)数年前、三重県のある釣場で、二人のクラブ員が同じ筏に乗った。一人(Aさん)はその釣場(渡船店)の常連で、渡船店のオリジナルダンゴ(ヌカベース)を使用した。もう一人(Bさん)は某メーカの市販の(非常にポピュラーな)ダンゴを選んだ。二人並んで釣りをしたところ、しばらくしてAさんにチヌが釣れた。でも、Bさんには釣れない。そこでBさんはAさんから渡船店オリジナルのダンゴを分けてもらった。そしたらチヌが釣れた。
2)堂浦(斎藤渡船):そろそろ5年ほどになると思うが、堂浦の斎藤渡船はエイ対策としてサナギ以外の集魚材の使用を積極的に禁止している。釣り人もそれに従い、堂浦のダンゴは土にサナギを混ぜただけの実にシンプルなものとなっている。そんなダンゴが使われるようになって5年ほどか。その間、チヌの釣果はエイの影響を受けずに安定している。そして、何よりもこの事実をみなさんに伝えたい。毎年5月に行われる堂浦(ウチノウミ)の筏のチヌ釣り大会であるデイリースポーツ杯。ここでのここ3年間の優勝者のダンゴは全て「土+サナギ」である。去年は我がクラブのタキシタさんが、一昨年も我がクラブのウエノさんが、そして、3年前は地元の若手のフルカワさんが「土+サナギ」のダンゴで個人戦を征した。斎藤渡船の釣客は、殆ど、船頭のアドバイスを聞いて、「土+サナギ」のダンゴを使用しているはずである。もし、この仮説が正しければ、堂浦のチヌは「土+サナギ」以外のダンゴには反応しない(釣れない)ということになる。サナギ以外の集魚材を使わなくなったのはエイ対策であるが、その影響はそれ以上に大きかったかもしれない。
以前は、他の釣場と同様、堂浦でもチヌ用の市販の集魚材は沢山使われていた。勿論、チヌやボラを寄せる効果はあったと思う。しかし、それはエイも寄せてしまうということで、トータルの効果としてはマイナスというのが集魚材を控える理由である。
そのため、「土+サナギ」のダンゴが主流となり、多くの釣り人もそれに従い、堂浦のチヌは「土+サナギ」のダンゴで飼いつけられることになる。
その結果として釣果はどうなったのかというのが、最大の関心事であるが、結果をみれば集魚材を減らしたことによる釣果への影響はないと言える。
そして、それは「土+サナギ」のダンゴにチヌが付いた(慣れた)から、というのが私の仮説である。そして、この仮説が正しければ、他の集魚材を追加すると、それはエイを寄せるだけで、全く逆効果ということになる。
私は今年も自信を持って「土+サナギ」のダンゴでDS杯に臨む。
引くこと、減らすことの難しさは確かにあると思います。しかし、結果は出てますから。デイリースポーツ杯に参加されるみなさん、是非「土+サナギ」のダンゴで臨んでほしいと思います。それが釣果に結び付くと思うから。
